武医BLOG

武井メモ

【保存版】女性が飲み続けると危ない薬

現代ビジネス 7月5日 0時0分配信

神経痛のリリカも危険

「女性がよく使う薬」の代名詞といえば、生理痛や頭痛を抑えるロキソニン。今年3月、この薬に重大な副作用があることが明らかになり、業界が震撼した。厚生労働省が「重大な副作用」の項目に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追加するように改訂指示を出したのである。

意外な飲み続けると危ない薬「一覧表」はこちら

イメージ 1


そしてその服用者が女性である場合、さらなる副作用がある。著書に『薬剤師は薬を飲まない』などがある、薬剤師の宇多川久美子氏が言う。

ロキソニンボルタレンといった鎮痛薬は、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる薬で、血管を収縮させて痛みを抑えています。

たしかに服用して少しの間、痛みは治まりますが、血管を縮めるということは血行を悪くするということでもある。血液の流れが悪くなれば、体温が低下し、多くの女性が苦しむ『冷え症』『肩こり』の症状を悪化させることにつながります。

より深刻なのは、『子宮が冷える』こと。つまり、子宮筋腫をはじめとした婦人病が発症しやすい環境をつくりだしているということです。

一度や二度であれば、こうした薬を使うことも許容できますが、『何かあるとすぐに頼る』『飲み続ける』という状態になると、長期的には体調を損ねることになる。安易に飲み続けるのは避けたほうがいいでしょう」

生理、出産、更年期。女性は日々、男性にはない独特の体調の変化にさらされている。女性が飲む薬の量は男性に比べて確実に増えていく。

しかし、こうした「女性が飲む薬」に様々な副作用があることはあまり知られていない。飲み続けると、その副作用で深刻な症状に陥ってしまい、場合によっては乳がん血栓症といった重篤な症状が引き起こされることもあるのだ。

低用量ピルの危険性

女性にとって深刻な問題なのが更年期だ。閉経前後の女性が、女性ホルモンの減退によってホルモンバランスを崩し、体に様々な異常をきたすようになる。

このとき、体内のホルモンのバランスを取るために使われるのが、プレマリン、ジュリナといった「ホルモン剤」である。こうした薬にも、深刻な症状を引き起こしかねない副作用がある。

「更年期の症状を抑えるため、こうした薬を長期間使用すると、乳がんの発症リスクが高まるのです。

ホルモン剤には、女性ホルモンと同じ物質が含まれていますが、一方で女性が乳がんにかかる原因もやはりホルモンです。組み合わせや使用の仕方によって、ホルモンバランスが崩れて、発症するリスクが高まります」(前出・宇多川氏)

イギリスの大規模な疫学調査研究「ミリオン・ウィメン・スタディ」によれば、プレマリンは、プロゲステロン(黄体ホルモン)を含む薬を併用している 場合、使用期間が長くなると、乳がんの発症率が高まるといわれている。使用期間が1~4年だと、乳がんの発症率は未使用者の1・74倍、5~9年でなんと 2・17倍にもなる。

宇多川氏が続ける。

「更年期のつらい時期を乗り切るのにこうした薬に頼る気持ちはわかります。ですが、日々の生活に運動を取り入れたり、食生活を変えたりすることで、更年期の症状は緩和することもある。そうしたことを試した上で薬を使用すべきでしょう」

なかには美容のためにホルモン剤を摂取するという女性もいるようだが、美しくなるどころか、思わぬ落とし穴に落ちることもあるわけだ。

女性が毎月痛みと闘わなければならない生理。その痛みをやわらげ、症状を抑えるために使われるのが、トリキュラー(低用量ピル)、ルナベル、ヤーズ(ともに超低用量ピル)といった薬である。

'60年代にアメリカで開発され、日本では'90年の申請から9年間の審査を経て、'99年に解禁。今ではすっかり普及してきたが、この薬にも副作用がある。

医薬品業界の関係者が言う。

「低用量ピルは、女性ホルモンの『エストロゲン』『プロゲステロン』の合剤。低用量ピルは排卵を抑える避妊薬で、同時に、月経過多、生理不順、月経前症候群など女性の生理にまつわるトラブルを改善します」

実はこの物質には、血栓症のリスクが報告されている。

血栓症は最悪の場合、死に至る病だ。血管のなかで血が固まって肺や脳の血管に至り、そこが詰まる。つまり脳梗塞心筋梗塞といった重篤な疾患の原因にもなるということだ。

実際、日本産科婦人科学会が行った'14年の調査では、それ以前の5年の間に、国内で低用量ピルを服用していた13人もの人が血栓を血管に詰まらせて死亡。とくにタバコを吸っていたり、肥満だったりすると、血栓症のリスクは高まる。

イギリスでの研究でも、低用量ピル服用中の患者が血栓症を発症するリスクは、39歳以降で明らかに高まったという。

スプレキュアにも要注意

年齢を重ねてから低用量ピルを使う際には細心の注意が必要となる。前出の関係者が言う。

「本来、低用量ピルを使うのは若い間だけが望ましい。更年期が始まり、閉経を迎える頃からは、別のタイプの薬に変えることをお勧めしたい。それ以降も服用し続けると、血栓症乳がんを発症するなどの副作用のリスクが高まります。

しかし、更年期を迎えても医師がずっと処方し続けたり、患者も『不調になったら嫌だ』と、惰性でずっと使用を希望したりというケースは少なくない」

低用量ピル以外にも、生理痛や月経過多などの症状を抑えるために使われるポピュラーな薬がある。子宮内膜症の治療やGnRHアゴニスト(偽閉経)療法にも使われるナサニールやスプレキュアなどだ。

こうした薬にも注意が必要となる。実際にナサニールを使用していた埼玉在住の30代の女性が言う。

「私はあまりに生理痛がひどくてナサニールを使い始めましたが、使い 始めてから、すっかり性欲がなくなってしまったんです。使用をやめてからも性欲は戻らない。しかもなんだかずっとイライラしているし、旦那との関係も悪く なっていきました。これじゃ、生理痛で苦しんでいたほうがまだマシです」

こうした薬は女性ホルモンの分泌を抑える効果がある。そのせいでホルモンのバランスが崩れ、性欲や精神状態にも影響を与えたと見られる。

副作用はこれだけではない。ナサニールやスプレキュアは「骨を弱くする」という深刻な症状を引き起こすのである。

「女性ホルモンは骨の形成を進め、古い骨の破壊を抑えるのに寄与しています。その分泌量が減らされると、骨に含まれるカルシウムの量が減少し、『骨量』が低下します。結果、『骨密度』が低くなり、骨折しやすくなる。

ただでさえ年をとると骨が弱くなり、骨粗鬆症などになりやすい。使い続けるのは、よくよく考えたほうがいいと思います」(前出・宇多川氏)

女性の社会進出が進み、高齢出産が増えるなか、「妊活」を行うケースも増えてきた。その際に使われるクロミッドは、排卵を誘発する薬である。服用した神奈川県在住の30代の女性が言う。

「飲み始めて2日くらいで、卵巣のあたりに張るような痛みと、お腹全体に膨満感を覚えました。

調べてみると、普段は25ミリくらいの大きさの卵巣が、30ミリほどにまで膨らんでいた。

深刻なものではないと説明されたけど、卵巣の張りは不気味でしたし、それを抑えるために、また別の薬を飲むことになった。薬の副作用を抑えるために、さらに薬を飲むというのには抵抗があるのですが……」

クロミッドが引き起こすこうした副作用は、「卵巣過剰刺激症候群」と呼ばれる。排卵量が増えすぎて卵巣が膨張。下腹部の激しい痛みを引き起こすこともある。

処方される薬や市販の薬を安易に信じ、その副作用を知らずに服用し続けていると、いきなり重い症状に見舞われる危険がある。きちんと知識を蓄え、より一層薬の情報に注意を払う必要があるだろう。

週刊現代より引用