梅毒注意報(感染症は早期治療が大切)
2022年の患者数は過去最多を記録した21年の1.6倍のペースで報告されている。
病原体である梅毒トレポネ−マは低酸素状態でしか長く生存できないため、感染経路は限定される。
大部分は、菌を排出している感染者(第1期、第2期の患者)との粘膜の接触を伴う性行為や疑似性行為によるものである。1回の性行為で感染する確率は20%と言われている。
更に梅毒感染者の約8割がHIVにも重複感染(1人に2つ以上の感染症が起こること)を起こしているとの調査報告もある。
◯第1期梅毒の症状
梅毒は初期から末期まで4期に分かれて分類されており、感染してから約3週間~3ヵ月の間に起こるのが第1期梅毒の症状です。性器・肛門・唇などに「初期硬結(しょきこうけつ)」と呼ばれる硬いしこりができます。徐々に初期硬結の中心が爛れてへこんだ潰瘍ができ「硬性下疳(こうせいげかん)」と呼ばれる状態に変化するのが特徴です。
初期硬結は3mmから3cmほどの大きさで、硬性下疳の病変部は特に細菌が多く存在しています。第1期梅毒の症状は痛みや痒みなどの自覚症状がないため、梅毒に感染していると知らないまま性的接触によって他人に感染させてしまうケースも。約1ヶ月で初期硬結も硬性下疳も自然に消えてしまうため、症状が出る部位によっては感染に気付きにくくなります。
◯第2期梅毒の症状
第1期梅毒の症状が沈静化して3ヵ月以上経過した頃、しこりができたことも忘れたタイミング現れるのが第2期梅毒の症状です。
発熱・倦怠感・頭痛・リンパ腺の腫れ・のどの痛み・筋肉痛・脱毛(梅毒性脱毛)・湿疹(梅毒性バラ疹)、小さく平たいイボ(扁平コンジローマ)、口内炎のような粘膜の白疹(梅毒性粘膜疹)といった様々な症状が全身に現れます。
↑デジタルニュースより画像引用
梅毒は血液を通して全身に原因菌が行き渡るので、全身に症状が出やすい病気。第1期梅毒と同じく現れた症状は半年ほどかけて鎮静化、半年を過ぎる頃には症状がなくなっているケースが多いです。
症状がなくなっても感染力は残り、特に梅毒性粘膜疹で口内が病変している場合はキスやオーラル接触で感染しやすいので注意しましょう。
◯治療方法(※性感染症は基本的に自然に治ることはありません。一時的に症状が緩和したり消えることがあったとしても治療をしなければ進行していきます。早期治療をしましょう!)
日本では、経口合成ペニシリン剤(アモキシシリンなど)を長期間(第 I 期で2-4週間、第 II 期で4~8週間)投与することが推奨されている。
神経梅毒の場合にはベンジルペニシリンカリウム(1日1200~2400万単位)を点滴静注で10~14日間、もしくはセフトリアキソン(1日1g)を点滴静注で14日間治療する。
◯下記HPより引用
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/465-syphilis-info.html
https://neoclinic-w.com/column/std/850
↑ネオクリニック
◯わかりやすい動画、写真
↑しゅんしゅんクリニックPチャンネル(動画解説)
https://miyakawaclinic.com/andrology/std_photo.html
↑宮川クリニック(写真でわかる性病)